まむし事件

 
昨晩、突如ワタシの身に降りかかった出来事をドキュメンタリー風に書いてみるが、ドキュメンタリーになっていないかも。
とりあえず、思考回路が支離滅裂のハイテンションのまま、一気に書くことにした。
 
 
昨日は、午後3時から小学校の草刈奉仕活動に参加したあと、そのまま長靴姿で、子供達のサッカー練習に混ぜてもらい、1時間30分ほど子供達とサッカーのミニゲームや練習をした。
 
子供達の手前、良いところを見せようと、かなり張り切りすぎて、汗だくのボロボロになった。
ヘトヘトで家に帰りシャワーを浴び、しばらくパソコンをいじったり、ラッパを練習したりして過ごした。
夕食を食べ気持ちよく、うとうととして居たところへ息子から連絡が入り、息子を駅まで迎えに行ったのだった。
 
こうして、疲れながらも楽しい1日が終わろうとしていた時に事件は起きた。
 
息子を乗せ、半分ぼーっとした頭で家に着くと、濾過器のポンプを点けっぱなしだった事に気づいた。
濾過器の点検は毎日の事なので、いつものように機械室のドアを開けて、直ぐ脇にある電気のスイッチを入れ、さっと濾過器の点検を済ませるはずだったのだが・・・・。
 
ところが、そのドアの手前で何となく嫌な予感がしたのだ。
虫の知らせと言うのか、何となくいつもと違い不気味な違和感があり、自然と注意深く慎重に行動したくなるような感覚が芽生えた。
  
月も出ていない暗闇の中、いつもより慎重に右手でドアノブを回し、ドアを手前にゆっくりと引き、左手で左壁のやや上の方にある電気のスイッチにそっと手を伸ばした。
そして、指がスイッチにふれたその瞬間。
 
左手に刺すような痛みを感じた。
 
あわてて手を引っ込め、右手で痛みを感じる部分を必死に力強く抑え、何が起こったのか解らないまま、家族の居る明るい家の中へと急いで戻った。
 
左手の痛みを感じる部分を強く握った右手の中に、ぬるりとした嫌な感触が感じられた。
何かは、わからないけれど、何か焦る緊迫した気持ちがよぎった。
 
明るい部屋の中であらためて確認すると、患部は左手の薬指の先端部分で、強く握った右手の甲まで赤く血が流れていた。目をこらして傷口をみてもハッキリした傷はわからず、指の先端に数カ所輪のように穴が空いている部分から、血が僅かに滲んでくるような感じだった。
 
実際、ずきずき、ひりひりとした痛みを感じるが、何が起こってそうなったのか、その時点ではハッキリしなかった。
頭の中で色んな事が交錯した。
 
電気のスイッチがショートして感電みたいに成ったのかな?とか、
トゲのような鋭利なものに触ってしまったのかな?とか、
ムカデや蛇に噛まれたのかな?など、
???憶測がぐるぐると頭の中を回っていった。
 
間もなく出血は収まったので、消毒して絆創膏を2重に巻いた。
その間もずきずきと痛みが止まらず、腫れが出てきた。
 
とりあえず、原因を探るべく懐中電灯と武器を持って現場を見に行こうと思ったのだが、武器を何にするかで迷った。
 
棒状で、ある程度長く堅いものを思い浮かべた。
最初は包丁にしようかと思い、実際に包丁手にしてみたが、あまりにもリアルなのでためらった。
 
少し考え結局、炭を掴む長めのトングを武器に選んだ。
 
こうして、右手ににトング、左手に懐中電灯を持ち現場へ向かった。
 
懐中電灯で機械室のスイッチのあたりを照らし、恐る恐るのぞいてみると何かが僅かに動いた。
 
スイッチの上にある柱と柱の隙間に茶色の何か物体が・・・。
 
蛇だ!。        蛇が静かに潜んでいた。
 
 
武器(トング)の先端で慎重に蛇の居る直ぐ下の電気のスイッチを押し、明かりを点けた。
 
そいつは、隙間に丸まるようにじっと身を潜めている。
こちらの様子を見つめ今にも動き出しそうにも見える。
 
数秒、あるいは数分のにらめっこのが続いた。

どのように、一撃を食らわすか、頭の中で描いていたのだ。
暗闇の中へ逃げられては、捕まえるすべは無い。
一撃が勝負を決するのだ。
  
ワタシは意を決してトング先で、蛇めがけて突きの一撃を食らわした。
 
見事に命中したかに思えたが、トングで抑える力を少し緩めると、奴はスルリと動き出し柱を下へと移動し始めた。
すかさず頭にねらいを定め、武器を的確に振り下ろした。
 
ドサッと音を立て、そいつは地面へ落ちた。
 
武器のトングで、そっと頭をつまみ上げ、家の玄関先まで持ち帰りあらためてそいつを確認した。
 
茶色の斑点、三角の頭、ずんぐりとした胴体、白っぽい腹、どこからみても、そいつはあいつに違いないと確信が湧いてきた。
 
    と同時に焦りが・・・。
 
 
あわてて家に入り、かみさんと共にネットで検索    ”まむし” 
 
 
直ぐにグロイ画像や噛まれた人の体験談、処置方など数々のページがヒットしたが、ワタシにはもはや読んでる余裕すら無くなっていた。
かみさんが、読み上げた処置方法、良く洗って毒を吸い出す。心臓に負担をかけない。毒が身体に回らないように止血など・・・。
 
ワタシは直ぐに台所で絆創膏を剥がし、水洗いして何度も力強く血を吸い取っては吐き出した。
その間に、かみさんは病院へ連絡していた。
 
噛まれたのが、午後10時30分頃で、病院に電話をしたのが午後11時10分頃だった。
噛まれてから、30分以上経過したことになる。
 
急いで、かみさんに車で送ってもらい、病院へと向かった。
救急外来の受付を済ませると、優先的に診察室へと呼ばれた。
 
まずは、状況を説明し幹部をみてもらったが、この時点では薬指の第2関節くらいまでが、パンパンに腫れているくらいで、まむしにしては、まだ症状が軽い方らしい。

治療の説明や薬の副作用など色々と説明を受け、承諾書にサインをし即入院する事に。
 
一晩中、点滴を受け、全身から採血を計5回(5カ所)、注射2本、朝食付きと言う待遇を受けた。
 
幸い、腫れはそれ以上進行しなかったので、一晩の入院で無事に退院する事が出来た。
まだ、幹部の腫れや、脇の下のリンパなどに痛みは在るけれど、まむしに噛まれた症状としてはとても軽くて済んだようだ。
 
噛まれて直ぐに、半ば本能的に幹部を強く抑え、血と毒を絞り出して居たことが幸いしたらしい。
 
 
PS
初の入院を体験した。
本人元気なのに、安静で点滴中と言うことでトイレに行けず、初溲瓶も体験。(汗
看護師の方々が美人ばっかりに見えたのは気のせいでしょうか。
色々とご心配をおかけしましたが、本人は至って元気なので、
皆さん「まむし」にはくれぐれも気をつけましょう。
こちらも、蜂同様2回目が危険らしいです。orz