職人技

caph7772006-01-13

正月に実家へ行ったときに、妹が骨董品屋で買ったと言う、精工舎の丸形振り子式ボンボン時計が隅っこに置いてあった。
その時計は、動くことは動くらしいが、やたらと時間が早く進むので「飾りとしてしか使えない」との事だったが、いらないようだったので貰って帰ってきた。
時計を調べてみると、振り子の先の部品が欠品していて、通常の3〜4倍くらいの速さで振り子が動いていた。
ネットで調べてみたが、そんな古い時計の部品は見つかりそうもないので、自分で部品を創ることにした。
丸い磁石やクリップ、ボルトナットなどあり合わせの物を加工して、振り子の先端をつくった。
それを時計に取り付けて、重さや長さを何度も変えて、あらかた正確な時間を刻むように調整した。
最後は、先端に付けたボルトのナットの位置を微調整して、ほぼ正確な時間を刻むようになった。
この時計は、振り子が中に隠れて外からは見えないので、あり合わせの部品で十分事足りた。
 
http://d.hatena.ne.jp/images/diary/c/caph777/2005-11-24.jpg
その古い時計を治したついでに、前から在ったもう一つの古い時計(HAYASHI ICHIBE NAGOYA AICHI)も、油を塗ったりメンテナンスをしようと思いたった。
この時計は買ってから、もう十年以上メンテナンスをしていない。
文字盤や針を慎重に外して、時計の中を開けてみた。
すると、そこに現れた光景にビックリ。思わず息をのんだ。同時にとても驚いた。
長年のホコリをかぶって、少しくすんでは居たけれど、それは、とても美しかった。
職人の技と技術が詰まっていた。
細部に至るまで妥協を許さない本物だと言うことが一目でわかった。
歯車の一つ一つが、たぶん職人の手作りに違いない。
とてもシンプルでしっかりと、屈強かつ繊細に組み込まれているのだ。
しばらく、その美しさにみとれてしまった。