朝日

息子は、いつも6時の電車に乗って学校へ通っている。毎朝、5時20分に大音量の携帯電話の音楽が家中に鳴り響く。続いて、かみさんの携帯からも目覚まし音が鳴り、息子とかみさんの二人だけが先に起きて、身支度をして、かみさんが息子を駅まで車で送っていく。いつもは夢の中でうるさく聴いている音楽も、今日は、はっきりと曲がわかった。
今朝は、昨晩早く寝たせいもあるが、息子の目覚ましが鳴る前に目が覚めていた。布団の中でじっとしていたのだが、何となく息子と一緒に起ることにした。
そして、顔を洗ってキッチンへ行くと、丁度、窓から明るい光が差してきて、脇の白い壁が赤く光った。
窓に近づいて光の方向をのぞき込むと、まさに朝日が昇る瞬間が目に飛び込んできた。
明け行く空に流れる雲が光り、とてもキレイだった。偶然、観ることができた神秘的な風景に、あわててカメラを探し、二階の窓から身を乗り出して撮影をした。
一人ではしゃいでいるワタシに、かみさんと息子はいつもの事だよと言わんばかりに、慌ただしくメシを食べて出かけていった。
今日は特別だと、思いたいワタシがいる。
こんなにキレイな朝日はそう簡単には観られないと思うのだが・・・。