大変だから面白い

台風が沖にそれたお陰で、昼から晴れた。
何となく家の中でじっとしては居られずに、作業着に着替え外に出た。何からはじめようかと段取りを考えてみたけれど、半日ではどれも中途半端になるのはわかっていたので、とりあえず、前から気になっていたサツキの植え込みの草取りからはじめることにした。
斜面を覆い尽くすように植えられたサツキの植え込みの中から、シダやツルや竹などの雑草が、飛び出したり、からみついたりして、とても見苦しい状態になっていたのだ。
ここ数年は、植え込みの中までは手を付けられず、表面だけを刈り取って体裁を整えていたが、それだとまた直ぐに草が伸びてきてしまうのだ。
今日は出来る限り根元から草を取ろうと思い、斜面の下の方からサツキの植え込みをかき分け、枝を折らないように気をつけながら足を踏み入れた。股下が植え込みにすっぽりと埋もれてしまうほどの高まで、びっしりと枝だが茂っていた。サツキの枝にからみつくように雑草が生えているので、しっかりのぞき込んで枝と草をより分けながらの作業になり、とても大変だった。
始めて数分も経たないうちに、その大変さに途方に暮れてしまった。先を見ると到底終わりが見えなかった。
やっぱりいつもの様に、表面だけを刈り取ろうかという思いがよぎった時に、所ジョージが何かの番組で「大変だから面白い」と言うような事を言っていたのを思いだした。考え方の変換で大変な事も、遊びやゲームのように捉えて、楽しんでしまう所ジョージの姿に、思わず納得して笑ってしまった。
確かに大変だからこそやりがいが在るのだ。
気を取り直し端っこから順番に作業を続け、夕方には植え込み全体の半分を終えることができた。
土にふれて黙々と作業をして、気持ちは不思議とスッキリとした。
きれいになった斜面の植え込みもスッキリしていた。
明日の事は明日考えよう。