うそ

家に来ている大工さんの一人に、イラン人の大工さんがいる。彼は日本に来てもう10年になる。日本語もペラペラで、大工仕事も一通りこなすが、主に雑用が担当だ。毎日、人一倍一生懸命働いている。
そんな彼の今の夢は、イランに帰って家族や友人に会うことだ。彼はイランの家族や友人には、日本で建設会社の社長をやっている事になっているらしい。収入から言えばイランの社長クラスなのだろうが、実際は雑用担当なのだ。工務店の社長のベンツを借りて、ベンツに乗った写真をイランに送り、自分の車だと言って自慢しているそうだ。こんな嘘なら微笑ましい。日本で生活していると、なかなかお金は貯まらないので現実は厳しいらしい。
そもそも、赤ちゃんを除くと、嘘をついたことの無い人は居ないと思う。化粧やカツラのような、嘘も方便的な嘘なら可愛いものだが、サギとか人を欺いたり傷つける嘘はしたくないものだ。冗談の様に軽い嘘のつもりが、結果的に冗談じゃ無くなってしまう事もあったりするので、言動には、ギャグのセンスと相手や状況を見極めるセンスも大切のようだ。
この日記にも色々と脚色を加えている部分もあるかもしれない。できるだけ事実や真実に基づいて書いてはいるが、夢や願望、現実や妄想などが入り乱れてしまう事も、時にはあるものだ。