誕生日

宅配便で花の種が届いた。かみさん宛に化粧品会社からのバースデープレゼントだ。「そうか、今日は誕生日だったんだ」昨日の夜まで覚えていたのに、今まで忘れていた。
結婚して18年になるが、お互いに誕生日とかを祝っていたのは、ずいぶん前の事で思い出せない。親になってからは子供中心で物事が進んでいるので、自分たちの事はなおざりにしてきた。それに年とともに誕生日を迎えてることが、そんなにめでたい事では無くなってきたからかも知れない。
そう言えば、ワタシの親父が「誕生日は産んでくれた親に感謝する日だ」と言って、親父の誕生日に祖母に赤飯を炊いたりして、自らもてなしていたのを思い出す。
確かに母は偉大だと思う。ワタシも二人の子供の出産に立ち会ったが、出産は男にはできない女ならではの体験だ。体の中で命を育て産むという体験はいったいどんな気持ちなのだろうか。男のワタシには想像もつかない。その点だけでも、かみさんには頭だあがらない。
ここに書くと後で見つかったら怒られると思うけど、一緒になってから18年間、苦>楽?を共にしてきたかみさんも、ついに四十の大台に突入した記念すべき誕生日を迎えたのだ。今まで、お互いにおざなりにしてきた関係だが、偉大なかみさんを称えてプレゼントでもしてみたら、どんな反応が帰ってくるのか、恐ろしくもあり楽しみな気もする。
きっと、何を血迷ったのかと笑われるのが落ちかも知れないが・・・。
勇気を出して花屋へでも行ってみるとするか。勇気よりもお金かもしれないけど。
 
追伸
花屋へ行こうかと思った矢先に、外出していたかみさんと娘が帰ってきた。何と荷物の中に花束が一つあるではないか。娘がかみさんの母と一緒に買ったらしい。ワタシの計画は白紙撤回となった。
しかし、娘にはお誕生会の計画が出来上がっていたらしく、すでにかみさんには招待状が渡されていた。ワタシは娘の指示通り動かされた。折り紙でチェーンを作るのを手伝い、それを窓の上にぶら下げ、ケーキ屋へ行きケーキを3つ買いイチゴと一緒に皿に盛りつけ、焼きそばとオムライスを作りようやく準備ができた。
娘がかみさんを呼んで、ささやかな誕生会が始まったのでした。
案ずるより産むが易しと言う事かもしれない。どちらにしても母は偉大ですな。