久々に夢を見て目が覚めた

いつの頃からか、あまり夢を見なくなった。と、言うか、寝ているときは夢を見ていたはずなのに、ベッドから起きあがるとともに、スーッと現実に引き戻され、頭の中の夢の記憶は、黒板消しで、黒板の白いチョークの文字が消される時のように、うっすらと白いもやがかかり、かすかに残った跡をたどっても、もう何が描いてあったかほとんど思い出せなくなるようだ。
子供の頃は、毎日のように夢をみて、うなされたり、笑ったり、ドキドキ、ハラハラしたものだ。二度と見たくない怖い夢もあったが、夢を見るのは嫌いではなかった気がする。
今日の朝は珍しく、起きても夢の内容を覚えていた。正しく表現すると、夢で起こされたと言う感じだった。起きてからすでに2時間近く経ってしまったので、少し忘れかけているかもしれない・・・・。あれ、だいぶ忘れている。夢の出だしがどんなだったかわからない。早く書かないと忘れてしまいそうだ。あまりたいした内容の夢では無かったので、別に忘れてもイイと思うけど、久しぶりに夢を見たという充実感があったので、記念に書いておきたい気がしたのだ。仕方ないので、夢の途中から書くことにした。
夢の途中
山間部の切り立った崖の脇を縫うように細い道が続く ワタシは車に乗って、その道をどんどん登って行き、急カーブをいくつも曲がり、やがていつもの駐車場に着いた。駐車場は切り立った崖の上にあり、崖側と山側にそれぞれ一列ずつ横に並んだ駐車スペースがある。他に車はほとんど止まっていない。ワタシは山側の真ん中あたりのスペースに、車を頭から突っ込んで駐車した。直ぐ後からかみさんの運転する白い小さなワンボックスカーが来て、ワタシの車の真っ直ぐ後ろにある崖側のスペースへ車をゆっくりとバックさせた。枕木でできている車どめにタイヤをぶつけ車は止まった。駐車場は空いていて、他にいくらでもとめやすい場所があったので、ワタシは、わざわざバックでワタシの車の後ろへ止めなくても良いだろうにと、あきれて思ったが、あえてかみさんには言わなかった。二人は車を降りて歩き出し静かに景色を眺めた。眺めはとても良く、遠くに山脈がつらなり、切り立った崖の遙か下の林の中に、別荘風の家が数軒離れて建っているのがみえた。
しばらくして、ワタシは自分の車に戻りエンジンをかけ車をバックさせた。すると、ドスンという音とともに軽い衝撃を感じた。あわてて後ろを見ると、ワタシの直ぐ後ろへ止めてあった、かみさんの白い小さなワンボックスカーは、枕木の車止めを乗り越え、崖下に向かってゆっくり動き出し、瞬く間に姿を消してしまった。ワタシはあわてて車から飛び出し、崖下を覗くと白い小さなワンボックスカーは途中の木に引っかかって、かろうじて止まっていた。しかし、今にもさらに下に落ちそうなくらい不安定にみえた。幸い車には誰も乗っていなかったのでホッとしたが、とても大変な事になってしまい、呆然としてしまった。そこに居合わせた数人の人たちが駆けつけてきて、「レッカーじゃだめだ。」とか、「大型のクレーンを呼ばないといけない。」などと勝手に相談していた。ワタシは、クレーンを頼もうと思ったが、そのとき、車はさらに下へ落ちていった。下には道路や家がある。ワタシはあわてて崖の斜面を草履履きの足で滑り降りた。何故か、新しい草履が汚れてしまうのが、気がかりだった。車が下まで落ちる前に危険を知らせないといけないと思い、必死に崖を滑るように下った。車はいつの間にか、白い小さいワンボックスカーから赤いセダンに変わっていた。その赤いセダンのリアウインドウがはずれ、ガラスの回りにあるゴムのパッキンが一本だけ、木の枝に絡まり宙づり状態でぶら下がっていた。今にもゴムが伸びて切れそうだ。その車の50メートルほど下には、道路をはさんで別荘風の民家があり、とても危険な状態だ。一刻の猶予も許さない。焦って、あたりを見回すと、運良く向こうからクレーン車が近づいてきた。車のレスキューをクレーン車の人に頼み、ワタシは民家へと向かった。
危険を知らせるため民家へ入ると、そこには何と、二人組の強盗が人質をとって立てこもっていた。マシンガンで武装して、人質をロープで縛り監視していた。ワタシは強盗に気づかれないように、警察に連絡をして、静かに救出のチャンスを伺った。強盗は、アメリカのアクション映画「フェイスオフ」に出てくる ニコラス・ケイジと、ジョン・トラボルタみたいな風貌になっていて、とても強そうで隙がない。よく見ると捕らわれている人質は、美女が二人だ。ワタシは僅かなスキを見つけ、部屋の片隅で横たわる人質に静かに近づいた。そして、身体に巻かれたロープに手を掛け、「今ほどいて助けてあげるから、大丈夫だから」と、美女に小声で話しかけた。と、その時、強盗に気づかれてしまった。強盗の持つマシンガンの銃口が、一斉にこちらを向いた。もうダメかと思った瞬間、ダダダダダ〜と、銃声が響き、二人の強盗が、ばたんと机の下に倒れた。間一髪で警察官が来てくれたのだ。ワタシは人質の美女とともに、助かったことを喜びあった。ふと何かの気配を感じ、目線を机の下に移すと、倒れていた強盗が微かに動いた。ワタシは「危ない!」と叫び、咄嗟に美女を押し倒し床に伏せた。続いて銃声が轟き、強盗の打った弾は、ワタシの頭をかすめてすり抜けた。さらに警察官が撃った、とどめの銃声が鳴り響き、静寂とともにワタシは現実の世界へと引き戻されたのであった。
「お父さん、もう朝だよ!」目の前には娘が立っていました。
ここまで、つきあってくれた方、ありがとう。とりとめのない、夢の話しでした。
アクション映画の見過ぎかもね。でも久しぶりに夢で興奮しました。
夢って不思議ですね。