青春の1ページの3

  • 幼少の思い出3

昔の男の子は、冬でも半ズボンを履いてる子が多かった。ワタシもほとんど半ズボンでいたように記憶している。
幼稚園では、釣りバンドのあるタイプの半ズボンに、冬になるとその下に白いタイツを履かされていた。今考えると、あれは幼稚園の制服だったのだろうと思う。しかし当時のワタシは、白いタイツを履くのがとても嫌で、幼稚園へ出かける朝に、タイツを履かないことで、何度も母に怒られていた。
なんで、白いタイツがそんなに嫌いだったのか考えると、色については、昔は子供のタイツと言えば、白と相場が決まっていたように思うので、あまり関係ないかも知れない。もう一つの理由に、履いたり脱いだりするのが、とてもめんどくさい事がある。しかし、これも母が履かせてくれたりしていたと思うので、あまり関係なかったように思う。「タイツ=女の着る物」というイメージも、そのころはまだ無かったように思う。
実はワタシは、真冬でもインナーのタイツやももひきを全く履かない。スキーをやるときなども、よっぽどでなければスキーウエア1枚しか履いていない。何故かと考えるに、ワタシは本来暑がりで、汗っかきといううこともあるが、それよりも、なんといっても、あの身体にぴったりとくっついて、締め付けられる様な感触と肌触りが、気持ち悪くてむずむずしてしまうのだ。靴下をはいて、ぴかぴかに磨かれた木の滑る廊下を歩くときの、あのくすぐったいような、むずがゆい感覚に、非常に近いと思うが、もう生理的に嫌いというのが正しいのかもしれない。
そんな幼稚園時代のワタシの記憶に残っている出来事に、お遊戯の発表会の事がある。どこかの会場で行われた発表会の日の朝。それに行くのが嫌で、というより、白いタイツを履くのが嫌で嫌で、母にダダをこねて抵抗したの場面を思い出す。しかし、その日だけは、いつも優しい母も強引にワタシにタイツを履かせ、無理矢理会場へ連れて行った。ワタシは何かの役で、白いタイツだけを履かされて(ズボンは無し)舞台にたたされていた。その白いタイツの事だけが鮮やかに記憶されいる代わりに、どんなお遊戯で、なんの役だったのか全く思い出せない。