漁港の夕日

今日、近くの漁港から夕日の写真を撮った。
 
バイクに乗って、学校帰りの娘を迎えに行く途中、林の陰に見え隠れする大きなまん丸の夕日が目に飛び込んできた。そのオレンジ色の優しい光に魅せられてしまったのだ。
そうして、娘をバイクの後へ乗せて、その足で今にも沈みそうなまん丸の夕日を追いかけるようにして、急いで漁港へやって来た。
久しぶりに漁港の中へと入ったが、そこには、キャンパスを手に画を描いている老人と、それを後で眺めてるオッチャンとおばちゃん、海に向かい腰を下ろして釣りをしている人たち、トラックへ魚を積んでいる人達など、思いの外沢山の人が居た。
バタバタというエンジン音と共に、慌ただしく漁港に着いた時には、夕日は色が薄れて遠くの半島に、すでに半分沈んでいた。携帯カメラで写真を3枚撮り、そのままそそくさとその場を立ち去った。
いつもなら、海岸の砂浜で夕日を眺める事が多いが、今日はそこまで行く時間と余裕が無かった。いくつか月末の仕事と用事を抱えていたし、夕日は瞬く間に沈みそうだった。
 
その気になれば夕日なんか、天気のイイ日には大抵キレイに観られるのだけれど、実際には、なかなかタイミングよくキレイな夕日に遭遇できる時は少ない。タイミングが肝心なのだ。
同じ夕日は二度と無い訳だし、丁度夕日が沈む時間に夕日の見える所にいて、その夕日がココロに響く確率はかなり少ないと思う。
(しかし、その時ワタシの頭の中は、大きなまん丸の夕日の事でいっぱいだったけど・・・。)
 
家に帰って夜になってから、ようやく落ち着いて写真の夕日を眺めることが出来た。
写真の中だけは時間が止まっているようだ。
ゆっくりと写真を眺めながら、この写真を撮っていた瞬間も、ワタシの中で一瞬時間が止まっていたように思えた。