柱時計

caph7772005-11-24

HAYASHI ICHIBE NAGOYA AICHIの時計だ。
と言ってもあまり詳しくはわからないが、明治の後期に林時計製造所で創られた日本製の時計のようだ。
 
十数年前に骨董品屋さんで見つけて、何度かみているうちに気になって、思案の末に購入したのだ。
購入以来、故障も無く動いている。
ゼンマイを巻くのを忘れて、止まっていることも度々だ。
三、四日置きにゼンマイを巻いてやると、意外に正確な時間を刻み、毎時ジャストに「ボーン、ボーン・・・」と時刻を音で知らせてくれる。
振り子が規則正しく揺れて、一往復するごとに「ちっく、たく・・・」と音を立ててやさしく時を刻んでいく。
 
別に骨董品収拾が趣味ではない。時計は正確な時を刻んでこそ、その価値が発揮されるのだと思う。
正確さでは、現代の電波時計やクオーツなどには、とてもかなわないし、ねじを巻く手間もかかる。
しかし、同じ時間なのに、この時計の刻む時間には、不思議と味わいや暖かみが感じられる。
明治の人の生活のリズムが、時計を通して感じられる気がする。
厳密には同じ時間なのだが、何故か違う気がするから面白い。